第5回|ドローン国家資格はいくらかかる?費用の全体像(受験料・講習・追加コスト)
「国家資格はいくら?」は、“試験手数料だけ”を見ても答えが出ません。
実際にお金が出ていくのは、①学科 ②実地(または講習)③身体検査 ④技能証明書の交付(+一等は登録免許税)⑤限定変更(夜間・目視外・25kg等)⑥交通費や練習費…という順番です。
このページは、ここを一枚の地図にして、あなたのケースで「最低いくら」「現実いくら」を見える化します。
0. 先に結論|費用は「公式の固定費」+「講習費(変動)」+「現場の追加費」で決まる
固定費(国が定める手数料):学科/実地/身体検査/技能証明書の交付手数料(+一等は登録免許税)など。
変動(スクールが決める):登録講習機関の受講料(初学者・経験者、地域、機材、日数で大きく変わる)。
追加費(見落としがち):限定変更(夜間・目視外・25kg等)、交通費、練習・機材レンタル、保険、書類作成など。
なので「あなたが講習ルートか試験ルートか」「将来限定変更を取るか」で、合計が大きく変わります。
1. 公式の固定費|まずは“試験・交付”の手数料(非課税)
| 項目 | 二等 | 一等 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 学科試験(CBT) | 8,800円 | 9,900円 | 試験手数料(非課税) |
| 実地試験(例:回転翼マルチローター/基本) | 20,400円 | 22,200円 | 「基本」=昼間・目視内・25kg未満。 ※講習ルートで実地が免除になる場合は、ここは原則不要になります。 |
| 身体検査(書類) | 5,200円 | 5,200円 | 運転免許証等の提出で“書類受検”ができる案内あり |
| 身体検査(会場) | 19,900円 | 19,900円 | 書類が使えない場合に選ぶことが多い |
| 技能証明書の交付手数料(新規) | 3,000円 | 3,000円 | DIPSで支払い(交付申請の手数料) |
| 登録免許税(新規・一等のみ) | ― | 3,000円 | 一等の新規申請は登録免許税が必要 |
2. “最低いくら”の目安(試験ルートの固定費だけで計算)
学科 8,800円 + 実地 20,400円 + 身体検査(書類)5,200円 + 交付 3,000円
=合計 37,400円(+交通費・練習費などは別)
学科 9,900円 + 実地 22,200円 + 身体検査(書類)5,200円 + 交付 3,000円 + 登録免許税 3,000円
=合計 43,300円(+交通費・練習費などは別)
身体検査が会場になると、合計が一気に上がります。
参考:二等(試験ルート)なら 52,100円、一等なら 58,000円 が目安になります(他条件同じ)。
3. 講習ルートの考え方|実地試験費は減るが、講習費が乗る
講習ルートは、登録講習機関で講習+修了審査に合格すると、内容に応じて実地試験が免除される方向です。
その代わり、スクールへ支払う受講料(ここが最大の変動)が発生します。
講習ルートの“固定費だけ”を先に出すと、全体が見えます
二等:学科 8,800円 + 身体検査(書類)5,200円 + 交付 3,000円 = 17,000円 +(講習受講料)
一等:学科 9,900円 + 身体検査(書類)5,200円 + 交付 3,000円 + 登録免許税 3,000円 = 21,100円 +(講習受講料)
4. 講習受講料の“相場感”|ここは学校ごとに幅が出ます
登録講習機関の受講料は、国が一律に決めるものではなく、各講習機関により異なります。
そのため、Web上で見かける価格帯にも幅が出ます。ここでは「だいたいこのレンジ」という目安だけ押さえ、最終的には候補校に見積りを取るのが安全です。
| 区分(例) | 講習受講料の目安(よくあるレンジ) | こういう要因で上下します |
|---|---|---|
| 二等(経験者) | 10〜20万円 前後 | 講習日数、機材、会場、修了審査の回数、地域差 |
| 二等(初学者) | 25〜35万円 前後 | 練習量(時間数)が増えるほど上がりやすい |
| 一等(経験者) | 30〜50万円 前後 | 安全設計・運航の要求が高く、講習も厚くなりがち |
| 一等(初学者) | 50〜100万円 前後 | 日数と練習量の増加が、そのまま費用に反映されやすい |
5. 限定変更(夜間・目視外・25kg等)|“あとで必要になる費用”を先に入れておく
業務で飛ばす人は、将来的に「夜間」や「目視外」を扱う場面が出やすく、限定変更が必要になることがあります。
“取得費用”を見積もるときは、最初から限定変更の余白を入れておくと、後で資金計画が崩れません。
| 限定変更の“公式コスト” | 二等(例:マルチローター) | 一等(例:マルチローター) | 補足 |
|---|---|---|---|
| 実地試験(限定変更) | 19,800円 | 20,800円 | 夜間/目視外/25kg等の限定を解除するための試験 |
| 技能証明の限定変更申請(DIPS) | 2,850円 | 2,850円 | 試験に通った後、DIPSで限定変更申請をする手数料 |
参考:マルチローターで「限定変更」を試験ルートで取る場合、公式費用だけでも
二等は 22,650円(19,800 + 2,850)、一等は 23,650円(20,800 + 2,850)が追加で発生します。
講習ルートで限定変更講習を受けて修了すると、内容に応じて実地試験が免除になる場合があります(その代わり講習費が乗ります)。
6. 見落としがちな追加コスト(ここで予算がズレます)
最後に、固定費の外側でズレが出やすいポイントをまとめます。
「試験の手数料だけで考える」と、この部分が丸ごと抜けて、結局“高くついた”になりやすいです。
まず交通費。講習は数日、試験は会場が限られることがあり、往復が積み上がります。
次に練習コスト。試験ルートは自分で練習環境を作る必要があり、機体購入・レンタル・場所代・指導料が発生することがあります。
さらに再受験。学科・実地は落ちればその回の手数料が追加で必要になり、時間も伸びます。
そして業務の前提費(任意保険、補助者手当、現場の立入管理資材など)。資格取得後に実務で回すとき、ここが意外に効きます。
だから費用は「資格の取得」ではなく、“取得して運航できる状態にするまで”で見積もるのが正解です。
7. 費用を抑えるコツ(現実的に効く順番)
いちばん効くのは、自分が「講習向き」か「試験向き」かを早めに決めることです。
初学者で練習環境が作れないなら講習ルートのほうが結果的に安い(再受験が減る)ケースがあります。
逆に経験者で練習環境が揃っているなら、試験ルートのほうが安くなることがあります。
次に効くのは、身体検査を書類で受けられるかを確認すること(会場受検は差が大きい)。
そして最後に、将来の業務で夜間・目視外が必要になりそうなら、最初から限定変更の予算を別枠で確保しておくことです。
公式リンク(一次情報)
・技能証明試験の種別・手数料(学科/実地/身体検査):
https://ua-remote-pilot-exam.com/certificate/
・DIPS(技能証明の交付申請・手数料・登録免許税):
https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/
・技能証明の申請(手数料・登録免許税の支払いの考え方が載っている操作マニュアル例):
(PDF)DIPS操作マニュアル
※このページは「費用の全体像」を目的に、公式手数料+一般的な相場感で整理しています。講習受講料は登録講習機関ごとに異なるため、最終見積りは必ず候補校に確認してください。



