日本政府が、国産のドローン普及支援
ドローン機体やプロポ、それに連動するアプリの国内での開発を後押しするため、日本政府が支援する方針を打ち出し、資金調達を優遇する等の法案が、近く、国会に提出されるようである。具体的には、国が認定したドローンのメーカーを対象に、政府系金融機関等が低金利で融資したり、開発資金に対し補助金を出したり、税制面で優遇措置をとるなど検討されている。
ドローンのメーカーの世界シェアは、中国のDJI社が77%を占めており、しかも、2位以下は4%未満と、DJI社の独占状態である。
パソコンにしろ、ケータイにしろ、自動車にしろ、寡占状態である業界は多く存在するが、これだけの成長分野で、ここまで中国というよりも、「1社」の圧倒的独占状態なのも珍しい。
とはいえ、「安全保障上」など国レベルな視点ではなく、単に、個人の空撮や、個人利用などを考えるとすれば、空撮などで使用する「一般向けのドローン」を個人が購入しようと思うとき、価格的にも、性能的にも、DJI社以外のドローンは検討するものがなく、DJI社のドローンの中から「どれにしようか」と選択するのが現実である。
実際のところ、一般社団法人日本ドローン操縦士協会のドローン操縦士検定の養成コースの授業でも、DJI社のドローンを使用することが前提となっている内容だ。ドローン操縦士検定の養成コースは、一般向けドローンを使用することが前提となっており、産業用ドローンではなく、一般向けドローンにおいては、コスパ等も考慮すると選択肢が実質的に1社しかない。DJI社のドローンは、価格も安く、性能もよい。
しかも、最近は、一般向けドローンに加えて、トイドローンでも圧倒す製品も打ち出してくる。昨年末に発売されたトイドローン「Mavic-mini」であり、これは、日本の法律を配慮した重量200g未満になっている。同一商標のドローンをアメリカでは、250g未満と、それぞれの国の法律事情に合わせた展開をしており、こういったスピードは他の追随を許さない。このように柔軟な対応をしながら世界に展開していくメーカーは他にない。
DJI社のこうした動きに、ドローン開発を手掛ける他社は全く対抗できていないのが現状だ。
とはいえ、安全保障上の懸念を考慮すれば、ドローンの国内メーカーの育成が必要不可欠となるのは自然な流れである。
ドローンは、今後、サイバー攻撃等で、ドローンの機体やそれに接続されたクラウドから、飛行記録や動画・写真などのデータが流出したり、遠隔操作などによって、操縦を乗っ取られたりすることも考えられるからだ。
Droneii社の資料によれば、2019年の時点での世界で使用されているドローンのシェアが以下の通りだ。DJI社は約77%と、圧倒的にシェアを獲得している。
1位は中国のDJI 76.8%
2位はアメリカのIntel(インテル)3.7%
3位は中国のYuneec(ユニーク)3.1%
4位はフランスのParrot(パロット)2.2%
と続く。1位と3位は中国であり、2社を合わせると約8割のシェアとなる。
ドローンには、GPS機能や高性能なカメラも搭載されているため、不正アクセス等により悪用されると取り返しのつかない自体を招く恐れが生じる。
不正アクセスにより、ドローン機体を第三者が遠隔操作して事故を起こしたり、警備のための運航経路を推測したり、カメラで撮影した映像や写真を抜き取って悪用したりすることが考えられる。
実際、アメリカ合衆国では、中国メーカーのドローンを飛行させることで、飛行ログ等が国外に流出する恐れがあるとして、海外製のドローンを使用する際に、警戒するように求めたことも、背景にあるのだろう。
とはいえ、ドローンは当分の間は、特に一般向けドローンは、DJI社の独占状態が続くのではないだろうか。しかし、今回の日本政府の動きは、国産のドローンメーカーが台頭するきっかけに十分になりうるものである。
産業用ドローンは、すでに日本国内でも国産のドローンが多く使われているが、一般向けドローンでも、トイドローンでも、優れた性能を持ち、コスパの優れた国産のものが 将来的に発売されることが望まれる。
現時点での、主な日本のドローン製造会社
(株)アミューズワンセルフ<大阪府>
陸上と水底の反射波の識別が可能なレーザー計測機器を開発し、それらを搭載したドローンを製造。
(株)自律制御システム研究所<千葉県>産業用ドローンの製造。
(株)エンルート<埼玉県>農業用ドローンの製造。
(株)プロドローン<愛知県>産業用ドローンの製造。
(株)クエストコーポレーション<長野県>ドローンの製造
TEAD(株)<群馬県>農薬散布ドローンの製造
ヤマハ発動機(株)<静岡県>ドローンの製造
