「ドローン操縦士のための現地コーディネーター」という仕事
今、この原稿を書いているライターである私は、十数年以上も前、週刊誌のグラビア撮影や、単なる1スタッフとして写真集の撮影に同行したことが何度かある。最近は、減らされた予算の関係で、各出版社とも、今では随分海外ロケ等は減ってしまったようであるが、ロケでグァムに行った時も、サイパンに行った時も、あるいは、沖縄に行った時もかならずいたのが「現地コーディネーター」であった。
ある著名なカメラマン~今も活躍されているが~は、年に何度も同じ場所で撮影しているのだが、彼とそのスタッフと一週間ほど一緒に滞在して、疑問に思ったことがあった。
撮影する場所のパターンも大体決まっていて、現地の移動もレンタカーで、ホテルも大体同じところを利用していて・・・。
「初めて行く場所ならまだしも、熟知している場所では、現地コーディネーターはいらないのでは?何をやっているわけではないだろうし・・・」 そう思って、聞いてみた。
「現地コーディネーターって必要なんですか?」
聞いてみて分かったのは、「その地域について精通している」ため、また、「その地域に顔見知りや知り合いが多い」ため、話がつきやすかったり、何かトラブルがあった時対処しやすいとのことだった。
確かに、スタッフの具合が悪くなった・・・病院は?とか、
現地で撮影していたら、勝手に撮影するな的なことを言われた・・・など。
日本に限定して考えてみても、日本全国各地域で「暗黙のルール」的なものがあったりする場合がある。自分の常識が通用しない場合もある。
沖縄でのロケの時は、事前の準備段階では撮影の許可が出なかったのに、そのことを現地のコーディネーターに言ったら、その場の電話一本でOKになったり。
よく考えてみれば、見知らぬ人が突然電話をかけてきて、「撮影したいんですが・・・」と言われ、それほど自分にメリットがなければ、「いいですよ」とは言わない、警戒するのは当然ですよね。
その沖縄ロケの際、移動中に、ある集落の屋根がとてもきれいだったので、その屋根も含めて撮影したいって、その場で現地コーディネーターに言ったら、その集落を仕切っている人に話をつけてくれ、ある民家では、屋根に上らせてくれて撮影まですることができた。
沖縄に住んでいる現地コーディネーターが交渉してくれたことで安心して、許可を出してくれる場合も多い。
この状況で、たとえば、見ず知らずの人が、いきなりその集落の人に撮影したいといったところで、警戒するのは当然であるし、撮影させたところでメリットはないわけですし。「お金払いますから」といったら、もっと警戒されるだろう。
ドローンの空撮=国土交通省に許可や承認・・・・・・とだけ考えてしまいがちであるが、実際に、ドローンを使って全国で撮影しようと思うと、「国土交通省に許可が必要のない地域」の方が圧倒的に多く、民間や団体や、地方自治体が所有している場所がほとんどであったりする。
そうすると、直接の交渉が多くなってくる。
そこで・・・。
ドローン操縦士のための「現地コーディネーター」というビジネスアイデアである。
もちろん、アイデアというよりすでに何人かはいるとは思うが。
もし、実際、全国各地に、「現地コーディネーター」がいたら・・・。この読者の方の中にも、利用したい人が多いのではないだろうか。
「現地コーディネーター」になるための準備としては、自分が住んでいる地域周辺を実際にドローンで空撮することである。
「いやいや、そうはいっても、私の住んでいるところは観光地でもないし、これといった場所ではない」
と思う人も多いかもしれない。
しかし、空撮すると、ものすごくきれいな場所であったり、夕日がきれいにみえるところだったり・・・。
わざわざ遠くまでロケに行かなくても、自分の周辺に絶景!空撮スポットがあるかもしれない。
自らの地域のあちこちを空撮してみる。その際に、役場などに許可等が必要な場合、許可もきちんととっていく。そうして、許可方法や担当部署や担当者なども同時に記録していく。
また、空撮する場合、トイレはどこにあるか、近くに食事をするところはあるか、近くにコンビニはあるか、充電できる場所はあるか、宿泊場所はあるかなど、ことこまかに記録していく。
空撮写真もよく撮れたものは、まとめておく。同じ場所でも、季節によっても違うイメージの写真が仕上がるかもしれない。
一定期間それを続けると、それがそのまま「ドローン操縦士のための現地コーディネーター」のノウハウとなる。
その地域に精通していて、しかも、許可をとる人や店、役所などもわかっていて、ドローン操縦士でもある「現地コーディネーター」は、あまりにも魅力的に思われる。
