2022年 ドローン操縦の免許制度はどうなるか?
前々号でも取り上げたが、もっと具体的に詳しく取り上げようと思う。
2020年3月31日に開かれた「ドローンの環境整備に関する官民協議会」で、政府は、「ドローン操縦の免許制度」の創設・運用を2022年にも開始する方針を決めた。
免許には、年齢制限や、有効期限、視力等の要件も設定する予定で、法令違反の場合などは、免許の取消等も行われる。
ただ、免許の取得は、「危険性の高い状況でドローンを飛行させる場合」とされており、下図の赤で囲まれた内容に該当する。

具体的に挙げられているのが、
?イベント上空での飛行、?人口集中地区上空で目視外飛行、?補助者なしに目視外飛行を行う場合等である。
すでにドローン操縦士検定2級を取得、あるいは、オンライン授業を受講の方であれば、お気づきと思うが、包括申請が認められていない、「国土交通省・航空局標準マニュアル?」に該当する飛行の仕方で飛行する場合と考えられる。
この飛行の仕方で飛行する場合、操縦ライセンスが義務付けられることになるだろう。
その場合、免許試験が実施され、「学科」と「実技」の双方が行われる可能性がある。
ただ、この赤で囲まれた飛行の仕方を行う操縦士は、運送会社・建設会社の従業員や、自衛隊・消防士などの専門職の方など、個人で取得するというよりも、数百万円以上する産業用ドローンを使用して、仕事のために組織の一員として取得する場合が多いのではないだろうか。
たとえば、消防本部に導入された産業用ドローンを消防隊員が操縦する場合などである。市販されているドローンではなく、導入された産業用ドローンを適切に操縦できるようになる必要があり、そのためには、インストラクターの他に、当該ドローンや、練習場所や保険加入等も必要になる。もし、そういった実技練習を個人で受けるためには、数十万円から百万円をこえる直接の講習を受けることが必要となる。
一方、現在、包括申請が可能な「国土交通省・航空局標準マニュアル?」に基づいた飛行が、下図の緑色で囲まれた「比較的リスクの高い飛行」と考えられる。個人事業主や中小企業の経営者や従業員、フリーランスのカメラマン等が操縦士が業務で、MavicやPhantomシリーズなど一般向けのコスパが高いドローンを使って飛行させる場合である。
この会報誌の読者の方の多くは、免許制度が始まるとされている2年後には、ゆっくりペースでドローンを飛行させていたとしても、かなりの飛行時間数が「自身の飛行ログブック」に記録されているだろう。そういった皆さんが、免許制度になったからと言って、「実技試験」を全員が受けなければならない、という状況になるのは、あまりに現実的ではないように思う。(仮に「実技試験」があったとしても、2年以上の操縦経験があれば、難なく合格するとは思われるが・・・)。
ただ、筆記試験は、コンピュータ等によって行われるかもしれない。実際に、アメリカ合衆国では、業務でドローンを飛行させる場合、ドローンのライセンスが必要であるが、指定された試験会場でコンピュータ等による、選択式のテストに合格することが求められるが、実技試験はない。
おそらく、下図の緑色で囲まれた「比較的リスクの高い飛行」を行う操縦士の場合、「包括申請(最大1年)で取得した国土交通大臣の許可・承認」が、若干カスタマイズされ、「操縦ライセンス」となると編集部では予想している。筆記試験(選択式)は、行われるかもしれない。
また、下図の緑色で囲まれた「比較的リスクの高い飛行」の右側は、「現行制度の維持」となっており、現在の「国土交通省・航空局標準マニュアル?」に基づいた飛行での個別申請に近いものになるだろう。
いずれにしても、2年後に免許制度ができるからといって、現在の国土交通省によるDIPSやFISSなどがなくなって、全く新しい制度に変更するということではないはずだ。
また、危険の少ない飛行には免許を必要としないとしている。
今後さらに具体的な内容を詰めた上で、それらの内容を反映した「航空法改正案」を2021年の通常国会に提出される予定だ。
以上の内容から、例えば、200g以上のドローン(無人航空機)であっても、単に人口集中地区で目視飛行する場合や、人口集中地区以外で目視外飛行する場合などは、
「比較的リスクの高い飛行」のカテゴリーに含まれるのではないかと予測される。
つまり、「航空局標準マニュアル02」に沿った飛行の場合は、今回、創設される「免許」は不要と思われる。
また、現行では、イベント上空で無人航空機を飛行させる場合、包括申請はできず、個別申請の必要があり、その都度詳細な書類提出が必要であり、頻繁にイベント上空での飛行をする操縦士にとっては、かなり書類提出の負担が大きい。そういった操縦士にとっては、逆に、政府による「免許制度」があった方が、スムーズになるのではないだろうか。
そう考えると、今回、創設される免許制度は、より規制が厳しくなる類のものではなく、現在のシステムをより効率化したものと考えられる。
ただ、おそらく「飛行経験の時間数」も一定の基準がなされるのではないだろうか。そう考えると、今から、コツコツとドローン飛行の経験を積み重ねていけば、免許制度が実施される2022年には、余裕で「飛行経験の時間数」はクリアしてしまっているのではないだろうか。
そう考えると、現在、一般社団法人日本ドローン操縦士協会の「ドローン操縦士検定2級」に合格し、趣味レベルでもドローンをコンスタントに飛行させていけば、政府が創設する免許をとる場合であっても、特別何か準備をする必要もそれほどないだろう。
